チヌ、クロダイ用の棒ウキで名実ともに1番人気の遠矢ウキ。ご覧の方にも愛用者は多いはず。長い棒ウキなので一見扱いにくそうだが、その遠投性能と感度の良さ、安定性は一度使ってみると納得するはず。
さすが一本一本手作りで丁寧に作られているウキだけあります。
その遠矢ウキから45年振りにリニューアルしたウキが発売されています。それがニュー0号Sセパレート。
商品名長いし、0号とはオモリ負荷なしのウキなの?と思うよなネーミングなどわかりにくい感じがあります。しかしこのウキ、使ってみたらなかなか良かった!さすが45年振りにリニューアルしただけあって使用感は大満足でした。
分かりやすいように、遠矢ウキファンの方が多用しているであろう300S-小とチヌSP400ー5Bを釣り比べてインプレッションしてみました。今後の採用の参考にして頂けたら幸いです。
Youtube版はこちらからどうぞ。詳細データはこのブログの方が分かりやすく掲載されています。
45年振りにリニューアルの遠矢ウキ、ニュー0号Sセパレート
すごいことですよね。ウキが45年振りにリニューアルと聞いてそれだけでビックリしました。長きにわたって愛用される遠矢ウキなんだと関心した次第です。
このモデルは今回リニューアルするまで使ったことが無かったので、どのようなウキなのか確認してみました。
ウキトップとボディの太さと長さはこれまでのままで、接続方式を進化させています。SP400-8やSP300-8シリーズと同等の接続方式へ仕様変更となっております。
先端は針金誘導方式となっており、ステンレス棒のガイドに沿ってウキトップを差し込む。これによって脱着がしやすくウキトップも安定します。
普通の差し込みタイプの300Sの場合、ウキトップが固定用のゴム管とガッチリかみ合ってなかなか抜けない事が多々ありました。皆さんも経験のことと思います。
逆に言いますと、着水時の衝撃で抜けてしまう事がないので必要な性能なのですけどね。
その点、今回採用されている針金誘導式は脱着しやすいので扱いやすいです。
オモリ負荷は0号なのですか?
商品名に「0号」とはいっているので、オモリ負荷0号のウキかなと戸惑う人も多いはず。実は私もその一人でした・・・笑。
0号負荷のウキではありません。この「0号」はオモリ負荷を表しているのではなくただの商品名なんです。
1号、2号と数字順に名前を付ける事がありますが、1号の前の0号との事。遠矢ウキを作っている(有)トオヤさんに直接確認したので間違いありません。
紛らわしいのですが勘違いしないようにしましょう。
3種類のラインナップがある
ニュー0号Sには大・中・小と3種類のラインナップがあります。それぞれオモリ負荷が異なりますので、釣り場の水深によって使い分けが必要です。
3タイプのウキの大まかなオモリ負荷と使用に適している水深をグラフにまとめました。
■オモリ負荷の目安と適合水深
大 | 中 | 小 | |
オモリ負荷の目安 | 0.8号前後 | 5B前後 | 3B前後 |
水深の目安 | ~10m | ~8m | ~5m |
実際に使用する際はウキトップの黄色~黄緑色が喫水位置になるよう調整しましょう。オモリを調整して見えやすい位置にするのがコツです。
白点表示について
遠矢ウキはモデルによってオモリ負荷表示がありません。円すいウキを使っていると表示されていないウキはありませんので不思議な感じですよね。
つまり浮力についてはある程度アバウトなんです。
ウキに刻印されている白点なのですが、オモリ無しでウキが自立した時の喫水位置(海水面)を表しています。
遠矢ウキは一本一本の喫水位置を確認しているんですよ。丁寧なつくりをしていますね。
このままだと浮き過ぎなので、もう少しオモリを追加してウキトップの黄色付近が喫水面になるように調整して使用します。
他の遠矢ウキと比較してみた
愛用している遠矢ウキの他のモデルと釣り比べをしてみました。使ってみたのはニュー0号Sセパレート含めて3機種です。
チヌSP400-8/5B
感度はシリーズ最高レベル。小さなアタリを見極めるウキトップ。安定性と遠投性能は抜群だが、全長が長く棒ウキに慣れていない人には扱いにくいでしょう。オモリ負荷は表示されているタイプです。
300Sー小
太いボディーで自重あり遠投性抜群。ウキトップは太くカラーリングも幅があるので視認性能がよく、視力が弱い人でも見やすいはず。ウキナマリによりオモリ負荷を調整可能。
ニュー0号中-Sセパレート
SP400-8と共通点あり。ボデイー幅は同一の8㎜だが、全長が55センチとSP400-8に比べ23㎝短いので扱いやすい。ウキトップは23㎝と短めなので風の抵抗を受けにくい。
■3種類の遠矢ウキの比較表
※状況:水深約6mの港内。風速4~5m。
ニュー0号中-S | SP400-5B | 300S-小 | |
平均残浮力 | 約5B | 5B | 約0.8号 |
全長 | 55㎝ | 78㎝ | 61㎝ |
ボディー長さ | 32㎝ | 40㎝ | 30㎝ |
ウキトップの長さ | 23㎝ | 38㎝ | 31㎝ |
ウキトップの径 | 2.9㎜ | 2.3㎜ | 3.5㎜ |
ボディー最大直径 | 8㎜ | 8㎜ | 10㎜ |
価格(税込み) | ¥2,167 | ¥2,904 | ¥2,057 |
ウキトップの視認性 | ◎ | ○ | ◎ |
遠投性 | ○ | ○ | ◎ |
感度 | ○ | ◎ | △ |
横風の安定性 | ◎ | ○ | ○ |
※2022年6月現在、ウキトップの径はジョイント部など除く
全長についてはニュー0号中が55㎝とこの3機種の中ではかなり短い。棒ウキに慣れていない人からするとそれでも長いと感じるでしょうが扱いやすいサイズです。
他の機種はボディーとウキトップがほぼ同じ長さなのに対し、ニュー0号中はウキトップが9㎝短い。
海水面上に出ているウキトップ部が短いので、棒ウキの課題である風による倒れ込みがかなり防げます。当日は5mとそこそこ風がありましたが、とても安定していて釣りやすかった。
遠投性能については300S、感度はSP400-8に軍配が上がります。しかしこの2機種にはかなわないものの、いずれの性能も高いレベルで使いにくさは全くなかった。
表の「ウキトップの視認性」より下は私の感想なので参考程度としても、使いやすさが伝わったのではないでしょうか。
これだけの性能で価格が¥2,167なのでコスパは高いと言えますよ。
私的には300Sシリーズも遠矢ウキ入門者にはオススメと思っています。視力が悪くウキが見にくい方は絶対このウキが見やすい。
また、ウキナマリにより浮力調整ができるので、1本持っていればかなり広い範囲の浮力をカバーできます。
遠矢ウキの購入を検討されている人はこちらから300Sのチェックをして下さい。
3種類と遠矢ウキで実釣してみた
300S小から使ってみた。遠投楽、視認性は相変わらず最高。横風が強いので喫水点より少し沈ませててやればウキがぶれる事ない。ただ、他のウキ2タイプと比較するとやや感度が弱いか?
次にSP400-8/5Bを使用。300Sの後だとトップが細くなるので見にくくなったが、ウキトップの配色が良いのでアタリが分かりやすい。メモリが細かいから微妙なアタリがとれます。前あたりがわかるところがすごい。
最後にニュー0号。喫水点よりやや沈ませて使用。ボディー、ウキトップともSP400-8のダウンサイズのイメージなので多少の不安があったが全く問題なし!
横風の安定感は想像より高い。ウキトップが短い事が影響している様子。そしてカラーリングはシンプルで視認性がよい。
感度もしっかりしており安心して使えます。ウキトップはSP400-8と同一の差し込み式に進化しているので脱着しやすいです。
最初に釣れたのはスズキ。モゾモゾとメモリを2つ沈めたところで合わせ!SP400-8よりウキトップが太く見やすかった。トップの長さは短いのですが、配色が良いのかアタリは取りやすい。
次に来たのは30㎝弱のチヌ。こいつはスパッと気持ちよくウキが入った。
暫くアタリが遠のく。やがてウキのメモリが1つゆっくり入って戻った。底スレスレを釣っているので障害物に触れたかな?10秒ほどして同じような動き。
これ、おそらく前アタリだ!
20秒程でしょうか、またゆっくりと2メモリ入ったのでビシッ!本日最大の35㎝程のチヌです。
このウキ、細かいアタリも捉えてくれるのでなかなかいいですよ。
遠矢ウキ初心者にオススメのウキです
ニュー0号Sセパレートはオススメのウキだと思います。そのポイントをまとめました。
・オモリ負荷が3段階で選択しやすい
・やや小振りで扱いやすい
・遠投性がよい
・風に強い
・お値段が控えめ
是非使ってみて下さい!
遠矢ウキが入手できないとお困りの方へ朗報!
遠矢ウキは人気なので売り切れが多く、いつ入荷するか分かりませんと言われることがよくあります。またネット通販でもほぼ販売が無い商品です。
せっかく使う気になったのに購入できないのと、不安になったかもしれませんが安心して下さい。確実に入手する方法がありますよ。
遠矢ウキを作っている(有)トオヤさんへ直接注文するのです。
何とHPで個人のお客さんの対応をしてくれています。在庫が無ければ少し時間はかかるかもしれませんが確実にゲットできますよ。
詳しくはこちらに掲載しておりますので気になる方はチェックして下さい。
ニュー0号Sセパレートの使い方まとめ
遠矢ウキ初心者やこれから棒ウキを使いたい人にぜひオススメしたいウキがニュー0号Sセパレートです。感度が高く遠投性能もあり風にも強い。
ウキ自体の長さも控えめなので扱いやすいはず。3種類のラインナップを揃えておけば、ほどんどの釣り場で対応が可能です。
価格も控えめなので一度使ってみて下さい。棒ウキ特有の細かなアタリがさらに釣りを楽しくしてくれますよ!
遠矢ウキに興味を持った人におすすめしたいのがこの本。数ある遠矢ウキの特徴や使い方の解説はもちろん、遠矢名人が春夏秋冬の実釣をレポートしてくれているので使い方がイメージできます。
平成21年出版の本ですので、興味のある方は早めに購入しないとなくなると思います。もちろん私の愛読書です。