この記事では初心者が取り組みやすいように、堤防や波止で行うフカセ釣りの方法を解説します。
フカセ釣りとは、本来仕掛けにウキを使用せずにエサやハリや糸の重さだけで仕掛けを海中に漂わせて(フカセて)魚を誘う釣り方です。
しかし、この釣り方では仕掛けが軽すぎて近距離しか狙う事が出来ませんよね。
そこでウキを付けて狙える範囲を広くした「ウキフカセ釣り」が考案され、現在では「フカセ釣り」として定着しました。
■フカセ釣りの特徴
撒き餌で魚を寄せて仕掛けと一緒に潮流に乗せて流していく。このようにして魚に違和感を持たせずにエサを食わせる釣り方です。
ですから、潮の流れを読み撒き餌と仕掛けが一緒に流れていくように、いろいろと工夫を行なければなりません。
この過程が難しいのですが、それがフカセ釣りの魅力です!
私は川、湖、海といろいろな釣りを経験してきましたが、フカセ釣りは奥が深くすごく楽しい釣りです!
潮を読みマキエや付けエサがどのように流れ、どの辺りで魚に食わすか!?
複合要素が多いのですが、これが想像通りに決まって魚が掛かったときの快感はたまりません!
フカセ釣りは手軽に楽しめますか?
コツをつかめば簡単ですよ。そんな初心者さんには、堤防や波止で釣ることをおすすめします。
●アクセスが楽チン
●トイレやお店の近い所も多い
●40㎝を越える大物も普通に釣れる
●足場がしっかりしているので安心
●同じ初心者が多いから気が楽
身近な場所ですが意外と大物が潜んでいるんですよ。大きな魚が釣れたらうれしいですよね。
釣った魚は食べることができますから家族に喜ばれること間違いなし!
フカセ釣りが気になっている方はこの記事を読んで、是非チャレンジして下さい。
●フカセ釣りで必要な道具と使い方
●仕掛けの作り方と釣り方
●堤防のポイントの見つけ方
各項目毎に詳細記事を紹介しています。ステップアップしたい方にも役立つはずなので、ぜひ参考にして下さい。
■この記事を書いた人
はじめまして、しんちゃんです!
●海、川、湖と30年以上いろいろな釣りを経験
●現在は3~4回/月の釣行をしています
●釣りのステップアップ情報を発信しています
●Youtubeもよろしく!
フカセ釣りで釣れる魚と季節
フカセ釣りのメインターゲットはグレ(メジナ)とチヌ(クロダイ)で四季を通して狙えます。
魚屋やスーパーでは見かけないですが食べて美味しい魚です。
その他、釣り場所や季節により真鯛やアジ、サバ、イサキなどいろいろな魚が狙えます。
グレやチヌはほぼ周年釣ることが出来ます。真鯛は春先の産卵時期には堤防回りの浅い場所に来るのでチャンスです。
アジは春~晩秋にかけて、イサキは6月前後が旬となります。
釣り場によって違いはありますが、フカセ釣りでは周年魚を狙う事の出来る釣りです。
フカセ釣りに必要な道具
フカセ釣りは他の釣りより道具の種類が多く、何を揃えればいいのかわかりにくいです。
ここでは初心者向けに堤防で釣りをすることを考慮した道具を紹介していきます。
竿の選び方
フカセ釣り用の竿は選び方がむずかしいな。
フカセ釣りには「磯竿」を使用しますが長さなどのスペック表記が独特なので、これを理解しないと竿の選定ができません。選定ポイントと手順を解説していきます。
●竿の長さを決める
●竿の号数(硬さ)を決める
初心者は4.5mの竿をおすすめします。
磯竿は一般的に5.3m程となります。
しかし慣れない初心者からすると、5.3mの竿は長すぎて扱いにくいのですよね。
風が吹くと思った以上にあおられて大変。
人の多い堤防の場合、慣れない長い竿だと周囲に迷惑をかけてしまうことがあります。
号数(硬さ)は何をを選べばいいですか?
初心者は1~1.5号の竿をおすすめします。
●20㎝前後の魚でも引きが堪能出来て面白い
●40㎝オーバーの魚でも問題なく釣れる
堤防や波止では20〜30㎝クラスの魚が主体となります。
ですから柔らかい竿の方が魚の引きを楽しめます。1~1.5号の竿だと魚の引きを堪能できる訳です。
ファミリーがサビキ釣りをしている横で、こんなサイズの魚が釣れます。
安心して下さい。このような大物でも1~1.5号の竿で釣り上げられます。
竿の長さと硬さの解説
磯竿には長さと硬さが一目で分かるように表記がされています。例を参考に解説します。
例)1.25号の竿で長さが5.3mの場合
「1.25」は1.25号の硬さを意味します。「53」は竿の長さの5.3mです。530と表記するメーカーもあります。
これが理解できれば竿の選定がしやすくなりますね。
磯竿の購入を検討しているのであれば、このダイワの竿をおすすめします。
4.5mと扱いやすい長さで、1.5号ですから汎用性があり高品位のエントリーモデルになっています。
▶こちらではさらに詳しい磯竿の解説をしています。ぜひ見て下さい!
リールの選び方
磯釣りのスピニングリールにはレバー付きが使われています。
このレバーは大物対応の機能です。
レバーブレーキ付きのリールは必要ですか?
初心者にレバーブレーキは必要ないね!
近年、釣り道具が対象魚や釣り方別に機能の細分化が進んでいます。
釣りやすくなっている反面、釣り方が複雑になり初心者がわかりにくい原因となっています。
フカセ釣り用のレバーブレーキリールもその1つ。
操作がむずかしいレバーブレーキ。はたして必要な機能なのでしょうか?
レバーブレーキの役割を確認してみよう。
■レバーブレーキとは?
急な魚の引きに対応出来る機能。強い引きをしたときにレバーをゆるめる。するとベールが逆転して糸が放出される仕組み。これにより不意な強い引きによる糸切れを防ぐわけです。
初心者にとって、慣れない長さの磯竿を操作するだけでも大変な作業です。
それにプラスして、魚の引きに合わせてレバー操作をするのは大変すぎる!
初心者にはレバーブレーキは必要ないね。
●初心者には操作が難しい
●釣り方に慣れてから採用したほうが効率的
●ドラグ設定を行っておけば大物に引きに対応できる
レバーブレーキ機能ですが、実はほとんどのスピニングリールに装着されているドラグで対応が出来ます。
ですからドラグをしっかりと調整しておけば問題ありません。
初心者は機能を限定して、シンプルに釣りをする事が大切です!
竿の扱いに慣れステップアップのタイミングでレバーブレーキ付きリールを使うことをおすすめします。
ですから、初心者は普通のスピニングリールを使って下さい。
おすすめするのはダイワのクレストです。価格がお手頃なのにドラグ機能が非常にスムースで、海水対応になっていますから安心して使えます。
▼ドラグの設定方法や、フカセ釣りにオススメのスピニングリール情報はこの記事を参照。
道糸とハリス
道糸とハリスは何号の物を用意すればよいでしょうか。
・道糸は2号
・ハリスは1.5号と2号を用意しよう
道糸とハリスは同じ糸なのですが、素材が違うものを使います。その特性を覚えておきましょう。
【道糸】 仕掛けを飛ばすためにリールに巻く糸。しなやかで巻きクセのつきにくいナイロン素材が使われる。
【ハリス】 針に結ぶ糸。魚の強い引きで障害物に擦れる可能性があるので、強度があるフロロカーボン素材が使われる。
購入時に商品のパッケージを確認しよう。糸の素材が明記されています。
ハリスは2種類を用意しておきましょう。
●1.5、2号の2種類を用意しよう
●海水の状況で使い分ける
●魚の反応で使い分ける
●釣り場に応じて使い分ける
何故なら掛かった魚を確実に釣りあげるには、強度のあるハリスの方が有利だから。
しかし、海の状況によっては2号ハリスだと魚に見切られて釣りにくい場合があります。そのような時はこのような基準で使い分けましょう。
①基本は2号からスタート
②テトラポットや障害物の多い場所
③1.5号ハリスで切られる場合
足元にテトラポットなどの障害物が多い場合は、ハリスが切られやすいので2号を使用するのが無難です。
①海水がすごく透明なとき
②2号ハリスでアタリがぜんぜんない場合
③障害物がないとき
アタリがまったくない場合はハリスを細くすることで、魚の警戒心を下げる効果があります。
ハリスはこのような使い方をすると、釣果に恵まれるはずです。
私が普段使用している道糸とハリスを紹介します。
機能と価格のバランスを兼ね備えたコスパ重視の製品ですよ。
この道糸は600m巻きでコスパが高くダイワ製なので安心です。
ハリスはサンラインのトルネードがおすすめ。中くらいの価格帯品ですが、強度はしっかりとしており安心して使えます。
▼道糸とハリスの選び方と交換の目安について詳しく知りたい人はこちらを見てね!
ウキ
初心者は円すいウキを用意しよう。
ウキには円すいウキと棒ウキの2種類があります。
●円すいウキ
遠投性能が高く波や風の影響を受けにくいので初心者が扱いやすい。
●棒ウキ
感度が高く小さなアタリが分かりやすい。波のない湾内で威力を発揮する。
円すいウキは種類が多いが、どれを選べばいいの?
3種類のウキを用意しよう。
●浮力:G2、B、3Bの3種類を用意する
●サイズ:Mサイズを選ぶ
円すいウキは、どれ程の重量のオモリを付けても浮くかを表す「浮力表示」があります。
軽いオモリは浅い水深を、重いオモリは深い水深を狙えます。
そして大きさがS・M・Lと3サイズに分かれています。最初は汎用性の高いMサイズをそろえよう。
ウキは浮力の異なる数種類を用意しなければなりません。
ここで紹介する3種類の浮力の円すいウキがあれば、ほとんどの堤防で対応できます。
●G2=表層~3m
●B=3~5m
●3B=5mより深い水深
ウキは大きさ別にS/M/Lとサイズがあります。最初は汎用性の高いMサイズを選ぼう。
▼ウキについてもう少し詳しく知りたい人はこちらを参照して下さい。
ウキ止め糸、シモリ玉、ウキストッパー
ウキ関連の道具はウキ止め糸、シモリ玉、ウキストッパーを使います。
●ウキ止め糸:ウキを固定するために使う。
●シモリ玉、:ウキがウキ止めをすり抜けさせないためのセル玉。
●ウキストッパー:ウキのクッションと糸絡み防止
ウキ止め糸を上下させると仕掛けの水深を変えることができます。
▼使い方の詳細を知りたい人はこちら。
ガン玉、 針
ガン玉はオモリのことです。沢山の種類があるので、必要な重さの物をそろえましょう。おすすめしたウキの浮力で必要なガン玉はこれです。
●G2のウキ=G6×2個
●Bのウキ=G2+G3
●3Bのウキ=B+G1
G6、G2、G3、G1、Bの5種類のガン玉をそろえれば大丈夫です。
▼ガン玉について詳しく知りたい人はコチラ。
▼針はグレ(メジナ)針の4号と6号の2種類をそろえましょう。堤防でフカセ釣りならば、この2種類で15〜50㎝の魚を狙えます!
バッカンと柄杓
バッカンはコマセを作るための道具です。大きさは主に2種類で36㎝と40㎝があります。
最初は36㎝サイズがおすすめ。
半日釣りをするならこのサイズが使いやすいです。
そしてソフトタイプとハードタイプの2種類があります。
【ソフトタイプ】素材が薄く安価。折り畳まれて販売されており、たたみシワが取れにくい。
【ハードタイプ】素材が厚い。強度があり自立するので扱いやすいが価格が高い。
初心者におすすめするのはソフトバッカンです。なぜなら価格が安いから。フカセ釣りは用意する道具が多く初期費用がかかります。
ですから予算の削れるものは低価格で抑えていくことが大切。ソフトタイプのバッカンならこれがおすすめです。
信頼のできるシマノ製品です。ハンドル部が樹脂で成形されているからすごく持ちやすい。コマセはすごく重いので、安価品によくある軟質樹脂やヒモ状のハンドルは避けたいですね。
▼バッカンについてもっと詳しく知りたい人はこちら。
柄杓も種類が多くて迷います!
初心者はこのタイプの柄杓を用意してください。
●長さは75㎝
●カップの大きさはMサイズ
●カップの素材はチタン
長さは75㎝、カップはMサイズだと汎用性が高く使いやすいです。
カップの素材ですが、安価な樹脂製は持ち重り感があり使いにくいのでやめておこう。
金属製だとステンレスかチタンになりますが、絶対チタンがオススメ!軽いから疲れません。
ところがチタン製は高価なのがネックです。しかしこちらの商品はお手頃価格でおすすめです。ベルモントの商品はシャフトも適度な硬さで初心者は使いやすいですよ。
▼柄杓についてもっと詳しく知りたい人はこちら。
釣れるポイントの見つけ方
いつもポイント選びで迷います。
ポイント選びは釣りの中でも一番重要と言ってよいでしょう。魚がいる所で釣りをしないといくら腕が良くても釣れませんよね。
釣り場に行く前にどのような場所で魚が釣れやすいか、ポイントをある程度しぼっておくと、釣りをスムーズにはじめることができます。
地形でポイントを知る
ここでは堤防のフカセ釣りのメインターゲットになるチヌ(クロダイ)を例にポイントを紹介します。
堤防全体に居着いているのですが、シーズンごとに居場所が変ってくるので参考にして下さい。
春:産卵を控え深場から堤防沿いの浅場に集まる。堤防周りでも藻が生えている場所が有望。
梅雨時期:産卵から体力を回復して比較的浅場で捕食する。
秋〜冬:水温が落ちると海水温が安定する深場へ移動する。堤防の深い場所が狙い目。
堤防の種類別の狙い方
釣りに行く堤防の海中の様子はどうなっているのでしょうか。これが分かれば攻略の糸口が掴めそうですね。
堤防にはいろいろな形がありますが、設置場所と水深である程度タイプが絞れます。すると海底の構造が把握出来るので狙い場所を絞ることができるのです。
直立堤
傾斜堤
混成堤
▼どのようにポイントを絞っていくのか詳しく知りたい方はこちら。
フカセ釣りの基本的な仕掛け
竿は4.5〜5m程と長く、仕掛けは数グラムのオモリしか付けないので非常に軽いのが特徴です。
仕掛け作りの手順
ここでは仕掛け作りの手順とコツを解説していきます。
■仕掛け作りの手順
1、竿のガイドに道糸を通す
2、シモリ玉とウキを通しウキ止めゴムを付ける
3、道糸とハリスを結ぶ
4、ハリスと針を結びガン玉を取り付ける
分かりやすいように動画にまとめました。
釣り方
フカセ釣りはちょっとコツが必要。まずは手順を大まかに説明します。
1、エサのオキアミを針に付ける
2、仕掛けをポイントへ投入する
3、コマセをウキの周りへ数投する
4、仕掛けをなじませてアタリを待つ
もう少し詳しく教えて下さい。
エサのオキアミを針に付ける
エサのオキアミを針に付けるにはちょっとしたコツがあります。魚が針に食いつきやすいように、違和感のないように取り付けすることです。
遠投する場合は竿を強く振るとオキアミが針から外れやすい。これはオキアミの付け方を少し変えるだけで防ぐことが可能です。
それらを動画にまとめたので、確認をして下さい。
仕掛けを投入する
投入時はエサのオキアミが外れないように優しく投入します。ポイントが近かったり周囲に人が多い場合は、タスキ振りで投入出来ると便利ですから修得しよう。
コマセをウキの周りへ投入する
魚を寄せるために、仕掛けを投入したらすぐにウキの回りへ3〜5杯コマセを投入します。
仕掛けとコマセは、極力はなさないように潮流に乗せていく事が大切です。
仕掛けをなじませてアタリを待つ
道糸を張り過ぎず緩め過ぎずの状態を作る。仕掛け投入後1分もすると仕掛けが海中になじむので、ウキにアタリが出るのを待ちましょう。
最初は浅めの棚から釣り始めて、数投して反応が無ければ30〜50㎝きざみに棚を深くして探っていきます。こうすると効率よく探ることができます。
エサが取られたりウキに変化のある棚を見つけられたら、丁寧に何度もその棚を探ってみよう。きっとアタリにつながります。
フカセ釣りの初心者、釣り方のコツのまとめ
フカセ釣りの基本はご理解頂けたでしょうか。難しく感じましたか?
確かに難しいところはありますよね。私も取り組み始めた当初は上手にできませんでした。
しかし、フカセ釣りはいろいろな魚が釣れるので面白かった。そして釣れるサイズも大きいのでビックリしたのを覚えています。
フカセ釣りは釣り方が難しいイメージがありますが、堤防で誰でも手軽に大物が狙えます。だからこそ皆さんには取り組んでほしいです。
趣味と言われるものは沢山ありますが、生き物を相手にする事はほとんど無いですよね。魚が掛かったときの生命感は感動的です。
そして見ることのできない水中での駆け引きは、いわばイメージの世界です。どのように釣っていくかは釣り人次第。
こんな魅力に溢れた趣味は他にないのではないでしょうか。是非皆さんやご家族、友人にも経験してほしいです。
フカセ釣りを通して自然の恵みや楽しさを感じて頂けると嬉しいです。
ここまで読んで頂いた方にはこのような記事も役立つと思いますので参考にして下さい。
▼意外と人気記事。仕掛けのなじませ方。
▼グレやチヌを自分で捌いて食べる方法。
▼釣り場で暖かいご飯を食べる方法。
長さは4.5mが最適です。